First Communion (初聖体) (7)おまけ

1777

ロザリーを連れてベルサイユ宮殿の舞踏会へ訪れたオスカルは次々とダンスを求める貴婦人達に礼儀正しく相手をしていた。余り舞踏会へ訪れる事の無いオスカルが、しかもまばゆい程の正装で来ていると言う知らせはベルサイユ中に嵐の様に広まったらしく、宮殿に出入りを許されている殆どの御令嬢達がオスカルを一目見ようと舞踏会にやって来た様だ。そしてオスカルは紳士的に彼女達のお相手を勤め、優しい言葉をかけた。

*********

夜も更けた頃ようやく女性達から逃れて回廊で一息つくオスカルにアンドレがシャンパンを差し出した。
「メルシィ、アンドレ。ロザリーを探して来てくれるか?私はもう降参だ。屋敷へ帰ろう。」
シャンパンを受け取ったオスカルの息が少し弾んでいる。
「よし、直ぐに戻る。おまえはここで休んでいろ。…それにしてもおまえ派手にやってくれたな!今夜はベルサイユ中の貴婦人がお前の礼服姿を夢見て眠りにつく事だろうな!」
アンドレが苦笑した。
「それもこれも、みんなおまえと母上のお陰さ。」
「俺と奥様のおかげ?」
「覚えていないのか? あれは未だ私達が幼い子供だった頃だ。女性を喜ばせるには容姿を誉めるのが一番だと教えてくれたのはおまえだ!」
「そんな事もあったか?」
オスカルが得意そうに言った。
「あったとも! 私は何でも覚えているぞ。」
アンドレが笑いながらロザリーを探しに行った。


オスカルのいる回廊を離れるのを待ってアンドレがポツンと呟いた。
「俺だって忘れた事はないぞ….」
アンドレが自分の胸に手をやって愛おしそうに何かに触れた。そこにはお仕着せに隠された銀色の十字架が光っていた….

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