新しい別れと出会い   (6)おまけ

December 1792

「旦那様から小包みだって?」
「ああ、送り主の名前こそ違うが、この筆跡は間違いない。」
使いの者が置いていった 細長い箱の紐を解くと油布の中からジャルジェ将軍の愛用していたサーベルが現れた。
「これは父上の剣だ。」
オスカルは剣を手に取り愛おしげにその鞘を撫でた。
「懐かしい…これが何よりも欲しいと思った時があった…」
オスカルの頭の中で この剣を使いこなせるようになろうと毎日腕を磨いていた若き日の思い出が蘇って来る。


剣と一緒に入っていたのは飾り気の無い便せんに将軍の力強い筆跡で書かれた手紙であった。それをゆっくりと広げたオスカルは一言一言を噛み締める様に読んだ。

「親愛なる娘オスカル、

この手紙が届く頃、 私は無事にお前の母をセビリアに送り届け 地下組織にて活動を始めておるだろう。貴族の身分を隠さねば成らぬ故、この剣も身近に置く訳にはいくまい。私に何か有ったとき, 我が父より授かったこの剣が誰とも知らぬ者の手に渡るかと思えば父上に顔向けが出来ぬ。お前の手によって我が孫娘に授けるがよい。これからの世の中は女であろうと、剣も学問も必要とする日が来るであろう。

おまえもこれ以上アンドレに苦労をかけてはならぬぞ。お前達家族三人に神の御加護と祝福を! 

おまえが唯一の誇りの父より」

剣を握りしめたまま涙をこらえるオスカルがやっとの思いで手紙を読み終えたとき、彼女の声が震えていた。

「アンドレ…変だな、父上に誉められたい一身で 生きて来た私がいた。けれど今はそんな事よりも、ただお父上に無事でいて欲しいと思うだけだ。」

アンドレの胸に頭を持たせかけ、ゆっくりと呼吸を正すオスカルが小さな声で呟いた。
「この剣が父上の形見に成る様な気がしてならないんだ…」
その時の二人にはオスカルの予感が当たっていた事を知る由はなかった。

Post a comment

Private comment

sidetitleProfilesidetitle

Missy

Author:Missy
はじめまして!Missy です。日本語はまだまだ未熟ですが,ここはそんな私の妄想で暴走している AO主義のベルばら二次創作サイトです。
Please Enter at your own risk!

sidetitleMissy's Break Roomsidetitle
This is a message board for my guests!
sidetitleLinksidetitle
sidetitleLatest journalssidetitle
sidetitleLatest commentssidetitle
sidetitleLatest trackbackssidetitle
sidetitleCategorysidetitle
sidetitleMonthly archivesidetitle
sidetitleYou are the visitor number:sidetitle
sidetitleCurrent Visitorsidetitle
sidetitleSearch formsidetitle
sidetitleFriend request formsidetitle

Want to be friends with this user.