新しい別れと出会い  (2)

November 1792

「オスカル、元気にしておったか?」
「父上!」
馬車を降り上着を掌で整えながらジャルジェ将軍がオスカルに尋ねた。
「ほう、この子が孫のセシルか? うむ、おまえに良く似ている。性格はどうだ?アンドレに似た方が親としては楽かもしれんぞ。剣の練習は未だか?」
オスカルが言葉を返す事も出来ずにいると馬車の中から澄んだソプラノが響いてきた。
「あなた、 セシルは未だ1歳半です。それにセシルはちゃんと女の子として育てて貰わなければ。」
ジャルジェ将軍の差し伸べる手を取り、ジャルジェ夫人が馬車から降りて来た。
「母上!」
「久しぶりですね、オスカルとアンドレ。」
「一体どうしたのですか?母上まで国民衞兵隊の警護でこのような田舎に来るとはただ事ではないでしょう?」
オスカルの声が不安を隠せないのが誰にでも解った。彼女の声が幾分大きかった為であろうか、馬車の中から小さな泣き声が聞こえて来た。
「オスカル、貴方が怖い声を出すからジュールが起きてしまいましたよ。ジュール、 こちらへいらっしゃい。」
丁度セシルよりも一つ年上くらいの小さな黒髪の男の子が馬車の中から顔を出した。ジャルジェ夫人がその子を抱きあげると不安そうに夫人の首に抱きつく。
「大丈夫ですよ、ジュール。」
夫人が子供を下ろして手をつないだ。心細そうな男の子は今にも泣きそうな顔をしている。オスカルが険しい顔でジャルジェ将軍を見つめた。
「父上、まさか…」
「馬鹿を言うでない!私の子ではないぞ!」
その時セシルがオスカルの手を離れて、とことことジャルジェ夫人の方へ歩いて行ったかと思うと小さな男の子に抱きついた。男の子もセシルに抱擁を返して知らないうちに子供たちは笑っていた。その光景を無言で眺めていた夫人は目頭を絹のハンカチで押さえた。
「母上?」
心配そうなオスカルに夫人が優しく微笑んだ。
「ジュールは数日前に父を失ってから笑い顔を見せたのは今が初めてなのですよ。」
夫人の言葉に皆は言葉を無くした様にたたずんでいた。
「先ずは家の方に…」
アンドレがその場を取りなす様に皆を屋敷の方に誘導した。

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ビックリしました!

パパじゃなくてアンドレの隠し子かと一瞬思ってしまいました(>_<)これから、‘二代目チビちゃんズ’はどうなっていくのでしょう?楽しみにしています!

面白い!!!

うわ〜アンドレの隠し子とは面白いですね!笑っちゃった!でもそれが本当だったらオスカルは”未亡人”で, ジュールは"父無し子"として育ったでしょうね。 (^_^;)
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Missy

Author:Missy
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