銀の指輪 (1)


「オスカル、ちょっと、先に座っていてくれるかい? 馬の蹄鉄が緩んでいる様だ。」
買い物を終えた二人はVallée de Sérénité で昼食をする事にした。
「私も手を貸すぞ。」
「大丈夫さ。先にワインを頼んでおいてくれ。すぐに行くから。」
オスカルは頷くと窓際のビストロチェアに座ってメニューを読み始めた。開け放たれた窓で白いレースのカフェカーテンが静かに揺れている。眠たげな午後の日差しの中で殆ど客のいないレストランはまるで時が止まってしまった様に静かだった。 その静寂を破ってレストランの扉が開き、二人の女性が笑いながら入って来た。 背を向けて座っているオスカルは女性の顔は見えなかったが、その若々しい声で二人が 未だ年若い娘だという事が解った。オスカルがワインのリストを読んでいると二人の会話が耳に入って来た。
「ね、どう思う、今の方?見かけない人だけど。」
「素敵!私黒髪って好きなの。背も高いし、優しそうな笑い顔だったわ!!」
オスカルは二人がアンドレの事を話している事に気がついた。もうワインどころではない。オスカルの全神経は二人の会話に集中していた。
「でも、あんなハンサムですもの、もう奥様がいるんじゃないかしら?」
オスカルは無意識に何度も頷いていた。
「大丈夫。あの方結婚指輪はしていなかったもの!」
ガタンと音をたててオスカルがいきなり立ち上がった。 驚いた娘達が振り返ったが余り険しい顔をしたオスカルを見るなり前に向き直って黙ってしまった。オスカルも我に帰って椅子に座り直したが, もう誰も話す者はいない。レストランは又静寂に包まれた。

するとアンドレが扉を開けて入って来た。二人の娘がアンドレを見つめる熱い視線がオスカルには手に取る様に解る。
「オスカル、ワインは決めたのかい?」
隣に座ったアンドレにオスカルはいきなり抱きついた。
「ど…どうした、オスカル? 」
訳の解らぬアンドレがオスカルの頭を抱き締めて優しく黄金の髪を撫でた。
「何でもない…ちょっとこのままでいてくれ。」
二人をちらりと見た娘が小声で言ったのがオスカルの耳に入って来た。


「残念だわ!男色趣味だったなんて!!!」

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ジェラシーオスカル様?!

v-15こんにちわ。
初めまして、ではないのですがYです。

この前はいきなり、管理人様宛に書き込み、大変、失礼いたしました。
オスカル様が他のアンドレLOVEの女子に対してヤキモチから威嚇するのは新鮮です。
オチの「男色」笑いました。



Re: ジェラシーオスカル様?!

Y様、
どうも有り難うございます。励みになります。これからもよろしくお願いします!
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