Déjà vu (デジャヴュ)   (4)

ワルツの音楽が終わるとアンドレはジャルジェ将軍の前に跪いた。
「旦那様、申し訳有りません。私は…」
「アンドレ、立つが良い。私に着いて来なさい。」
オスカルを手で制してその場に残すとジャルジェ将軍はアンドレを大広間に接続している控えの間に導いた。そこにはジャルジェ家の執事ギュスターヴが待っていた。

「アンドレ,座りなさい。おまえが謝る事は無い。」
ジャルジェ将軍がアンドレの肩にそっと手を置いた。
「私達をお許し下さると?」
「ばかものめ!お前以外、あのじゃじゃ馬に添い合わせる事が出来ると思うてか?」
頭を下げたままのアンドレにジャルジェ将軍が溜め息を吐きながら言った。
「あの通り世間知らずで、気性が激しくて,言い出すと聞かない性格だ。お前にもこれまで以上に苦労をかけるぞ。」
「何事にも至らぬ私ですが、私のこの命に代えてもオスカルを守ります。」
「…それは言わずと解っている。ギュスターヴ、書類を…」
ギュスターヴが皮の鞄から幾つかの書類を出しジャルジェ将軍にわたした。それにもう一度目を通すとアンドレに渡した。
「これはお前の賠償金と年金、そして僅かだがあれの持参金だ。お前の名義で連合王国中央銀行に預金してある。」
「こ…こんなに沢山頂く訳にはいきません!」 
「お前の目の事は聞いている。それも主人であったオスカルの責任だ。それに、まとまった資金が動かせるのは今の内だけかもしれぬ。」
アンドレも革命による政治的な混乱と前年の不作の影響でパリの物価が急上昇している事を知っていた。オスカルに余計な苦労をさせない為にもこれだけの資金が有れば心強い。
「解りました。ではお言葉に甘えて頂戴致します。」
「オスカルを頼んだぞ。そして…」
ジャルジェ将軍が、 何かを決意する様に言った。
「私にもしもの事が有れば,妻を頼む。」
「旦那様,そのような事は…」
「私は親王貴族、いわば革命家の宿敵なのだぞ。」
アンドレはもう一度現実の冷たさを自覚した。
「解りました。お任せ下さい。」
ジャルジェ将軍は無言で頷き、立ち上がった。 そして二人はオスカル達の待つ大広間へと戻っていった。

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Missy

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