Déjà vu (デジャヴュ)   (3)


「オスカル,本当に綺麗だ。眩しい位だ。」 
メヌエットが終わるとアンドレが深々とお辞儀をしてオスカルの手の甲に口づけした。
「本当にお似合いだこと!」
いつの間にか上品なローブに着替えたジャルジェ夫人がヴィルジニーの隣に佇んでいた。夫人が優しくアンドレの手を取った。
「オスカル、あなたの夫をお借りしますよ。私の大事な息子と次のワルツを踊らせて下さいな。」
「母上?」
悪戯そうに目を輝かせたジャルジェ夫人が微笑んだ。その微笑みはオスカルが何かを企んでいる時と余りに似ていてアンドレは苦笑した。
「その代わり,あなたのダンスが欲しいと言う殿方がおりますのよ。」
夫人の合図で大広間の扉が開き,見慣れたシルエットが現れた。
「父上!」
「旦那さま!」
オスカルとアンドレが同時に叫んだ。其処に立っていたのは礼服に身を包んだジャルジェ将軍であった。凍り付いた様に動けないオスカルの前に 将軍が立ちはだかった。
「オスカル,お前もやはり女であったのだな。」
ジャルジェ夫人が少しだけ眉をひそめて将軍をたしなめる様に言った。
「あなた、そんな言葉ではなく、本当の自分の気持ちを仰ったらいかがです? オスカル,気に留めては行けません。あなたの父はあなたがとても美しいと言いたいのですよ。 親子して照れ屋なのはどうしようも有りませんね。」
いつも冷静沈着な将軍も今度ばかりは勝手が解らない。
「父上私は…」
「何も言うな、オスカル。私は今、お前の父としてここに居る。将軍としてではない。」
「オスカル、あなたの父が結婚話を進めたのは女としての幸せを掴んで欲しかったからです。あなたは自分の道を進みましたが,結果的には父の望み通り、 女としての幸せを掴んだのです。それを喜ばない訳がありません。」
ジャルジェ将軍が深く頷いた。その時緩やかなワルツの音色が大広間に響き渡りジャルジェ夫人に促されたアンドレが踊り出した。それを合図に将軍は優雅にお辞儀をするとオスカルの手を取った。二組の美しい男女は、大理石の床の上を滑る様に舞った。
「お前と踊るのは初めてだったな…」
思い起こせば何時も父の愛情が欲しい一身で、我武者らに駆けてきた。その父の腕の中で踊るオスカルは子供の頃に逆戻りしたような気がする。何故か無性に懐かしくてオスカルの目から涙が溢れた。

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Missy

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