Déjà vu (デジャヴュ)   (1)

注:このお話は “Saber Arch  〜光の並木道〜” の直後のお話です。

結婚式も無事終わり皆はパリの宿屋で行われた祝宴に繰り出した。ベルナールの旧友が経営するその宿屋の一階はレストランになっていてその一部を二人の為に提供してくれた。 木製の固い椅子にクッションを置き、そっと腰掛けるアンドレに アランが笑いを噛み殺しながら尋ねた。
「どうだ,未だ痛むか?」
「当たり前だろう!お前ら思いっきりやりやがって!」
「それは、しきたりなのだからしょうがないだろ!」
「何がしきたりだ!俺が花嫁に見えるか!」
衞兵隊達が皆どっと笑い出した。ベルナールが取りなす様に言った。
「まあ、そう膨れっ面をするな。今夜はお前達の門出ではないか。皆,好きなだけ楽しんでくれ。食べ放題,飲み放題だ。」
衞兵隊の間から歓声が揚がった。ただ酒なら底なしに飲める者達ばかりだ。アンドレを一人残して 我れ先にとばかり、酒を注文しに向かった。
「相変わらずけたたましい奴らだな。」
入れ違いにシャンパンのグラスを二つ持ってやって来た オスカルが隣に腰掛けた。
「具合はどうだ?ムッシュウ・グランディエ?」
オスカルの顔を見た途端にアンドレの顔が綻む。二人はシャンパンで乾杯した。 
「最高だよ,マダム・グランディエ。俺は世界で一番幸せな男だ!それより奥様はもうお帰りになったのか?」
「それが今さっきまで珍しそうにレストランのメニューについて店主にいろいろと聞いていたのが、ロザリーと二人で何処かへ行った様だ。母上の事だ,さよならを言わずに帰る事は無いだろうが…」
その時ベルナールが二人に囁いた。
「さあ,用意はできたか? 馬車が待っている。なに,奴らの事は気にするな。この店に酒が有る限り、お前達が居なくなっても気がつかないさ。」
二人は顔を見合わせたがベルナールに急かされて辻馬車に乗り込んだ。
「おい,ベルナール。一体何処へ行くつもりだ?」
「すぐに解る。悪い様にはせん。奥様もお待ちだ。」
「母上も?』
ベルナールは何も応えなかった。ただ意味ありげに微笑むと御者に合図をした。辻馬車はゆっくりと走り出した。

********

辻馬車はパリの夜道を駆け抜け、バロック建築の壮大な屋敷へ通じる門の中へ入って行った。手入れの行き届いた庭園を通り抜けて,馬車が止まるとみごとな彫刻の施された大きな扉が開いて何人かの使用人が二人を迎えてくれた。そしてその奥から聞き覚えの有る声がした。
「いらっしゃいませ,オスカル様とアンドレ。お待ちしておりました。」

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Missy

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