Saint François d'Assise  (聖フランソワ)  (3)

次の日から毎日午後になるとカエサルが La Petite Chaumière にやってきた。革と木の棒で作ったハーネスをスゼットの胴に付け、その両側から突き出しているハンドルをアンドレに握らせた。なるほど革紐よりもよほど安定感が有りスゼットとアンドレが障害物を挟んで引っかかる心配も無くなる。始めは基本訓練から始まり毎日根気よく訓練した。毎日の訓練が終わると必ずスゼットのハーネスを外して遊ばせてやる。 
「盲導犬は仕事中に気を張りつめていますから、仕事が終わったら、思いっきり遊ばせてストレスを解消させてあげてください。」  
基礎ができてくると階段や溝などの段差の前や 、低い木の枝の下などで止まってアンドレが杖で確認するのを待つ。そしてテーブルや柵の下など犬は通れても アンドレの通れない場所はよけなければならない。 
「犬が止まったら杖での確認は足元だけではなく頭上もして下さい。」  
オスカルもカエサルの指導で仕事中のスゼットに食べ物やおもちゃを見せる。仕事中は犬に頼っている盲人の為にどのような誘惑からも負けてはいけないのだ。
「良いですか、動物と言う者は叱るよりも誉めるほうが覚えが早いのです。」

*********

それから半年が過ぎスゼットはいかなる状況でも盲導犬としての役割を果たせる様になっていた。カエサルも満足げに言った。 
「もう私の訓練も月に一度のおさらいで大丈夫でしょう。後は出来るだけ何処にでも出かけて体で覚える事ですね。」 
アンドレはカエサルの両手を握りしめて言った。 
「本当にどうも有り難うございました。どうお礼を言って良いか解りません。これでいつも妻に頼らなくて済みます。」  
「アンドレ、私は頼られても一向に構わないのだぞ。でもお前が少しでも自由を取り戻せるのなら私もこれほど嬉しい事は無い。」 
「ああ、これでスゼットが馬車を操る事さえできればな!」
二人は声を出して笑った。

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