Camille (カミーユ) 2

Camille (カミーユ)2

「何だってこんなに沢山...?」
アンドレの置いた金貨を見てカミーユが驚いた。
「もう 来ないと思う。明後日出動するんだ。だからおまえも達者でな..いろいろありがとう」  
「へえ〜あんたが兵隊だとは思わなかった!あたしはきっと弁護士か大学教授か何かだと思ってた。」
「俺はただの従僕兼兵卒だよ。最も 屋敷にはもう帰らないだろうけど。」
「じゃあ何処へいくの?」
「そうだな...暖かい所が良い...」

「ね,あたしの頼み聞いてくれる?」  
「なんだい?」
カミーユが鏡台の小さな箱を開けた。
「これを...母さんの貝殻を海に帰してほしいの。」 
白い貝殻を愛しそうに撫でながらカミーユが言った。  
「あたしの母さんは海の向こうの南の国で生まれたの。 結ばれない恋をして苦労のあげく 早死にしちまった。」
遠い所を見るカミーユの緑の瞳にかすかな光がともった。
「もう顔も覚えてないけどこれは母さんがくれたんだ。でもこんな薄汚いとこにおいとくより海に帰してあげたくて...」

「じゃあそれはもう少しおまえが持っていろ。出動が終わって俺が生きてたら取りに来るよ。」

カミーユは静かに微笑んで頷いた。男なんて信じないけど...この男だけは信じたいのは何故だろう。 
「約束だよ!」
カミーユは長身の黒髪の男の後ろ姿をいつまでも見送っていた。

**********

夏が終わり秋も深まる夕暮れに男は娼館にやって来た。 客としてではなく 女との約束を守る為に。銃創もまだ完治していない体をかばいながら見慣れたパーラーを訪れた。 いつものマダムが彼を見た瞬間悲しい眼をしたのは気のせいか? 

「あんた、カミーユはもういないんだよ...」 
男が何も言う前にマダムが言った。 
「ちょっとこっちへ来てくれるかい?」  
マダムは豊かな胸の間から真鍮の鍵を取り出して机の引き出しを開けた。
「カミーユは酔っぱらった客にからまれて刺されちまったんだよ。 息を引き取る前にこれを あんたにって...」 

マダムがアンドレの掌に白いハンカチ包みを渡した。そっと開いたハンカチからは白い貝殻がひとつ燭台の光をうけて青白くかがやいていた。 幸薄い娘の涙のように...



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